ある日の昼下がりの事。
窓際で外を眺めているさくらの元に、一人の来訪者がやってきた。
柳城「よい、しょっとー」
(窓から室内に入ってくる柳城)
さくら「!?」
柳城「あれ、ルンちゃん居ないのー?」
さくら「え、えっと、あの…?」
(当然の様に入ってくる柳城に戸惑うさくら)
柳城「あれ、なんかちみっちゃいのが居る。
…誰?なんでここにいるの?」
さくら「えっと、あの…さくら、です。
ルーウェンさんに、…えっと、ここのお部屋を貸して貰ってる、…ます」
柳城「ふぅん…?ルンちゃんが、ねぇ…」
(まじまじとさくらを見て)
柳城「まぁいっか、今度じっくり聞こーっと。ルンちゃん何処にいるか知ってる?」
さくら「えと…ちょっと、わかんない…です」
(おどおどと柳城を見上げる)
柳城「ちぇ、残ー念。まぁ、帰ってくるまで君で遊んでてもいいんだけどー…」
(ちら、と見て、何かを思いついたような顔をする)
柳城「あ、そだ、お近づきの印にイイコト教えてあげる♪」
さくら「イイコト…?」
柳城「うん、そうvちょーっと耳貸して♪」
さくら「…?」
(首を傾げながらされるがままに耳を傾ける)
柳城「ごにょごーにょ・ごにょりーた・ご・ごにょらw」
(何事かを囁く)
さくら「!!?」
柳城「んじゃ、俺はこれでvまた来るって言っといてv」
(左手を上げて軽く挨拶すると再び窓から外へ躍り出る)
さくら「…、(な、なんだったのかな…。あの人が言ってたのって…本当、なのかな…?)」
がちゃり。
ルーウェン「よ。」
さくら「!ルーウェンさんっ」
(柳城が出て行って間もなくルーウェンが顔を出し、それに驚いて振り返るさくら)
ルーウェン「…?何だ、変な顔して。俺の顔に何か付いてるのか」
さくら「う、ううんっ…そうじゃなくて、今ね、緑のお客様が来て…」
ルーウェン「緑のお客様ぁ?」
(思い切り怪訝な表情)
さくら「黒い服で…」
ルーウェン「あー・・・あれか。あれは客じゃない。今度来たら即刻追い返しとけ」
さくら「え、えええっ!?」
ルーウェン「あれに構うとロクな事がない。…それでアイツがどうかしたのか?」
さくら「あ、あのね?…」
(言うか言うまいか少し悩んでいる)
ルーウェン「?」
さくら「ルーウェンさんが本当は女の人だって…本当っ…!?」
ルーウェン「!!?!?」
(予想だにしなかった発言に思わず固まり、火をつけようとしていた煙草を取り落とす)
さくら「…、(ほ、本当だったのかな…)」
(その様子を固唾を飲んで見守っている)
ルーウェン「あっ…アホかーーーー!!!」
(なんとか復活して第一声に叫ぶ)
さくら「!!?!?」
(耳きーん。)
ルーウェン「お前は第二話で何を見てたんだ!?」
さくら「だ、第二話…?」
ルーウェン「風呂だ風呂、お前思いっきり俺のほうマジマジ見てただろうがっっ」
さくら「…あ」
(やっと気が付いたようにポン、と手を打つ)
さくら「そ、そっか…一緒にお風呂はいったんだった…(*ノノ)」
(恥ずかしそうに少しうつむく)
柳城「えー、ルンちゃんったらそんな事してたのー?えっちぃー」
(突然ルーウェンの背後に現れる柳城)
ルーウェン「!!!!?」
(突然現れた柳城にびっくり)
ルーウェン「柳城てめぇどっから現れやがった!?ていうか何吹き込んでんだてめぇは!!」
(振り返りざま柳城に蹴りを繰り出す)
柳城「窓からvええー、だって信じるとは思わなくてww」
(余裕の表情でヒョイヒョイとそれを避けて笑う)
アルフェーゼ「本当、ショタコンだったとは知らなかったわー」
ユリシス「そうよねぇ。アタシもまっさか変態だなんて知らなかったわ」
ルーウェン「ちょ…っ!お前らもお前らでいつから居たんだ!?
ていうかアルフェーゼも普通に男性寮に入ってくるな!仮にも大司祭!!」
アルフェーゼ「何よぉ、うるさいわねぇ。ちゃんと管理人公認よ」
アルフェーゼ&ユリシス「「ねー♪」」
(仲良さ気に二人で手をあわせる)
ルーウェン「…頭痛ぇ…」
(くらくらと額を押さえる)
さくら「緑のお客様」
(くいくい、と柳城の服を引っ張る)
柳城「よ、ちみっこ」
さくら「嘘ついちゃ駄目なの、ですっ。悪い子はメッてされちゃうんだよ、…ですよ?」
(人差し指を立てて、言い聞かせるように言う)
柳城「ゴメンゴメン★嘘のつもりは無かったんだけどーw」
(全く持って悪びれた様子はない)
ユリシス「さくらちゃんの純真な心を弄ぶなんて悪い緑ねっ」
(言いながらさくらをハグする)
さくら「わぷ」
柳城「うるっさいなー、今日はエイプリルフール、嘘吐いても許される日w
あんまりカリカリしてるとハゲるよ、オカマちゃんw」
ユリシス「だ、誰がオカマよっ!?ちょっとお勉強させてアゲル必要がありそうね…!」
アルフェーゼ「まぁまぁw…要するに嘘じゃなきゃいいのよね」
ルーウェン「…は?」
アルフェーゼ「ここに取り出したりまするは謎の小瓶♪」
(ス、と小さな小瓶を取り出す)
アルフェーゼ「キュポンっとなー」
(小瓶のフタをあけると、少し甘いような匂いが部屋に漂う)
ルーウェン「なんだソレ…?」
アルフェーゼ「…、ふふ^^」
ルーウェン「怖!?なんだそのイイ笑顔!?」
アルフェーゼ「ちょっとじっとしてなさい★」
(小瓶を持ってルーウェンへ素早く近寄る)
アルフェーゼ「…のみなさいっ!」
ルーウェン「!?」
(突然すぎて思わず避け損ねる。口の中に小瓶の中の液体を思い切りブチ込まれる)
アルフェーゼ「…ヨシ★」
(何か大きな仕事をやり遂げたような笑顔で汗を拭うような仕草をする)
ルーウェン「ぶぇっ…何やりとげた様な笑顔してやがる!何飲ませた!?」
アルフェーゼ「え、女の子になる薬★」
(アッサリ)
ルーウェン「は?…は!?はあああああ!?!?!」
アルフェーゼ「ふふ、今に女の子になっちゃうわよー」
(ニヤ、と笑ってルーウェンを見る)
ルーウェン「…!!」
(バッ、と法衣の前を開けて確認する)
ルーウェン「…なんともなってねぇじゃねぇかよ…」
(ほっとした表情で息を吐く)
アルフェーゼ「まぁ嘘だからw」
ルーウェン「…ってめぇ…」
(ふるふる、と拳を震わせる)
柳城「えー、嘘なの?」
ルーウェン「残念そうに言うなっ」
さくら「…、」
(くいくい、とルーウェンの服を引っ張る)
ルーウェン「…ん?」
さくら「あのね、ルーウェンさん…えっと…(*ノノ)」
(何故か顔を赤らめる)
ルーウェン「…?」
(怪訝な表情)
ユリシス「あら、豊作」
ルーウェン「…は?」
(ユリシスが見つめる先を見る)
ルーウェン「!?!?!!?」
(視線の先、自分の胸元にありえないものがあるのを見て言葉にならない)
アルフェーゼ「あら、大成功ーv」
(ふにふに、とルーウェンの胸を突っつく)
ルーウェン「や、やめろっ…て、嘘じゃなかったのか?!」
アルフェーゼ「嘘よ?ウソって言ったのがw」
(にっこり★)
ルーウェン「!!!!!」
柳城「うわー凄。声も高くなっちゃってw」
(面白そうに言う)
ルーウェン「やめろ…っこんな展開嘘だ…!
嘘だああああっっ!!」
がばり。
…という夢を見て飛び起きたルーウェン。
ルーウェン「(ゆっ…夢で良かった…今日がエイプリルフールじゃなきゃヤバかった!!
そうじゃなきゃ絶対アレ現実で話通されてる!!_| ̄|○)」
(ベッドの上で上半身を起こし、嫌な汗を拭う。ついでに胸元を見て真っ平なのを確かめる)
ルーウェン「…ホントによかった…」
(ほーーーっ)
柳城「何がよかったの?」
ルーウェン「!!?!?」
(突然の柳城の声に心臓が飛び出そうなほど驚く)
柳城「やほ、ルンちゃんw寝起きセクスィー★」
ルーウェン「おっ、おっ、おまっ…」
(ぱくぱく)
ルーウェン「何でここに居るんだ!?人のアパートにっっ」
柳城「いやー、だってもう昼だしおきてるかと思って★
まぁ、お陰で寝起きなんて貴重なもの見れたけどーw」
ルーウェン「そんな事を聞いてるんじゃない、なんでここにいるんだって聞いたんだっ」
柳城「え?ルンちゃんに会いたかったからw」
ルーウェン「……」
(物凄く嫌そうな顔)
柳城「今日俺誕生日なんだよねーvだからルンちゃんに祝って貰おうかとv」
ルーウェン「…誕生日?…どうせ嘘だろ、エイプリルフールだし」
柳城「酷いルンちゃんっ!俺がいつ嘘をついたっていうの!?」
(泣きまねをしてみる)
ルーウェン「大概しょっちゅう嘘ついたりからかったりしてるだろーがっ!!」
柳城「…ちぇー、つれないなw」
ルーウェン「ったく、仮に本当だとしてもプレゼントたかるなら当日にいきなり来るなっ」
柳城「え?別にプレゼントなんて用意しなくてもルンちゃんが居れば万事おっけーw」
ルーウェン「そら光栄なこった…って、うぉ!?」
柳城「…だぁって、プレゼントはルンちゃんでいいもんw」
(不意を付いてベッドに押し倒して押さえつけている)
ルーウェン「アホかお前は!!重いから早く退け!馬鹿力っっ!!」
(柳城の下で一生懸命もがもがしてる)
柳城「俺は普通だよー?ルンちゃんが力弱いんじゃないー?w」
(クス、と笑う)
ルーウェン「うるせぇ、MEナメんな…って、…っ!やめ、どこ触って…っ」
柳城「実況中継していーの?w」
(ルーウェンの身体を撫で回しながら楽しそうに言う)
ルーウェン「…するな、ていうか触るな…っヘンタイ!」
柳城「ルンちゃんって色々楽しませてくれそうだよね…♪」
ルーウェン「男を楽しませる趣味はない…っ!!」
(まさにナスがママなら胡瓜がパパ状態)
ルーウェン「(これならある意味さっきの悪夢の方がマシっ…いやそれも困る!!)」
楼朱「やっほーぅ!」
ばーん。
勢いよく扉を開け放ってチェイサーの楼朱が現れる。
ルーウェン&柳城「「!!」」
(揃って扉のほうを見る)
楼朱「…あ」
(二人の様子を見て、一瞬驚いた顔をして)
楼朱「ご、ごめん、取り込み中だったんだっっ」
(顔を赤らめて慌てて部屋から出ようとする)
ルーウェン「待てこのバカ!助けていけ…っっ!!」
楼朱「…え?」
(くるり、と振り返って立ち止まる)
白楼「やなーぎっ」
(その足元から小さなガンスリンガーが柳城に走り寄り、飛びつく)
ルーウェン「(…今だっ!)
(素早く柳城の下から脱出する)
ルーウェン「…はぁ、偉い目にあった…」
(法衣を羽織って一息つく)
雪那「…お疲れ…」
(隻腕のプリーストが何時の間にか隣に立っている)
ルーウェン「…おつあり…」
(げんなり)
柳城「もー、イイトコだったのにー」
ルーウェン「全然イイトコでもなんでもない!」
柳城「続きは今度ね★」
ルーウェン「するかっ!!」
柳城「ちぇ。…ところで、どーしたのさこんな所に親子で」
ルーウェン「こんな所とか言うな…」
楼朱「ああ、そうそう、柳城が今日誕生日だからお祝いにw」
ルーウェン「それでなんで俺の家なんだ」
白楼「あのね、クロちゃがきっとココだって!」
雪那「あたってた…」
柳城「クロ兄がー?」
ルーウェン「…兄?」
柳城「ああ、うん、鴉狼ってアサクロ。通称クロちゃん★」
ルーウェン「(これの兄って…コレの兄ってどんなだ…!!)」
雪那「…そういう訳で…お祝い…」
(ス、と手に持っていた箱を差し出す。中にはケーキがワンホール入っている)
白楼「おいわいー!蝋燭いっぱい立てるっ」
楼朱「そうだなー、100本くらいw」
柳城「ちょっと、人を勝手にじーちゃんにしないでくれる?」
ルーウェン「(なんか一気に賑やかに…)」
楼朱「あ、蝋燭忘れた」
白楼「えー、ローソクないと始まんないよっ?
ねーね、るんちゃん、持ってなーい?」
(困り顔でルーウェンに蝋燭のありかを尋ねる)
ルーウェン「…蝋燭なんか無いぞ…あ、これでいいか」
(何処からとも無く和蝋燭を取り出してブスブスと3本突き立てる)
楼朱「太!?」
白楼「わーい、ごりっぱ、ごりっぱーv」
雪那「…前代未聞…?」
(三人がそれぞれ同時に感想を言う)
柳城「ちょ、俺何歳それっ」
ルーウェン「さぁ」
(しれっと。)
柳城「…俺まだ27歳なんだけどー?」
ルーウェン「じゃぁ三本目に7って書いとけ」
柳城「…ホンット、ルンちゃんってば冷たーい」
ルーウェン「うるさい、祝ってやるだけ感謝しろ!」
柳城「はいはーいっと」
白楼「るんちゃん、るんちゃん、ほら、こっち!」
ルーウェン「あ、ああ」
(白楼に呼ばれて隣に行く)
白楼・楼朱・雪那・ルーウェン「「「「ハッピーバースデー!」」」」
(白楼の”せーの”に合わせて同時に)
柳城「…、」
(少し呆気にとられて)
柳城「…ぷ。あっははははは♪」
(おなかを抱えて笑う)
ルーウェン「…気持ち悪いな、お前…」
柳城「いーじゃん別にw
…ちょっと、嬉しいだけだよ?」
ルーウェン「……」
柳城「さ、みんなでケーキ食べよー♪」
ルーウェン「…そうだな」
(やれやれ、という風にルーウェンも頷く)
和蝋燭の突き刺さったケーキを囲み、和やかに時は過ぎてゆく。
…この後、大人達の飲み会へと進行し一部二日酔いに悩まされることになるが…
それはまた、別の話。
HAPPY HAPPY BIRTHDAY!
★あとがき★
エイプリルフール=柳城nounaiバースデーという事で。
自己満足バンザイ(*´ー`*)
前半がエイプリルフール(嘘)ネタ、後半が柳城の誕生日ネタ。
繋げる意味は合ったのかと問われれば、…ある様で無いんじゃないかと!(ぁ
絵日記に絵を書いただけのキャラが後半出てます。
構成的には雪那と楼朱が(バ)カップル、白楼が雪那の子、楼朱の義息的存在、という事で実質三人で家族的な繋がり。
楼朱とルーウェンが古い付き合い、ルーウェンと白楼を除く三人が古い付き合いと言う繋がりで。
柳城とルーウェンに関しては、柳城が一方的にルーウェンに絡んでいます(本編然り
本気で好きでと言うよりは揶揄って反応を楽しむのが好きな感じで。ルーウェンからすれば迷惑この上ない(笑
そんな訳で楼朱と柳城を通して雪那と白楼もルーウェンとは顔なじみ。
なんて不親切なサイトなんだ!(まったくだ!